鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

小顔矯正できますか、、?|筋膜リリースを応用した、自分でできる消しゴム小顔矯正なんてどうでしょう!

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数年前は美容鍼の問い合わせなどポツポツあったが、最近は小顔がトレンドらしい。ウチのような治療院でも、施術中の会話ではテレビや雑誌で紹介された美容法やダイエットの話題になることがある。

マッサージや整体で「顔が小さくなる?」かというと、「え~、そんなことないでしょう!」という答えになってしまうが、そもそも「小顔」という概念が違うらしい。

矯正とは欠点を直して正しくするという意味である。歯の矯正や姿勢矯正、視力矯正、素行の矯正など、瞬間で変化するというより、ある程度の時間を要するものが多いような印象がある。

昨年だったか、小顔サービスを謳っていたある業者が消費者庁から再発防止などを求める措置命令を出されたことは記憶に新しい。その問題点は、頭蓋骨や頬骨の歪みが矯正できるというところにある。表示されていた効果は根拠なしということであったが、マッサージでむくみが解消し、フェイスラインがスッキリするなどであればセーフであったことであろう(無資格であるとマッサージの用語はグレーゾーンなので、フェイシャル トリートメントなどが無難でしょうか)。

顔面神経麻痺に鍼灸を施すと、麻痺の改善と共に顔面部の血行が良くなり顔色がよくなったり、顔がスッキリするなどの意見も聞かれることが多い。飲み過ぎや寝不足などによる顔のむくみ、顎関節症や眼精疲労などによる咀嚼筋や表情筋の緊張などに対して、顔面部にマッサージや鍼、温熱療法などを行うことで、血行が促進され、症状が軽減することは十分期待できるであろう。

さて、ここからが本題である。

マッサージをすることで筋緊張の緩和や血行促進が可能であるので、筋膜リリースをプラスすることでさらに、持続効果や皮膚の状態の改善が期待できるのでなないだろうか。筋膜も最近のトレンドであるので、すでにご存じの方も多いであろう。顔面部や頚部の筋肉にも当然筋膜が存在し、その筋膜は三層構造になっている。

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狭い範囲を手指で施術することはテクニックが必要であるので、今回は消しゴムを利用して筋膜をリリースしてみたいと思う。前腕を例として説明をしていこう。

先の三層構造とは、上下・左右・斜めという理解でここではよいと思う。上の図では斜め上方に圧をかけている。まず、皮膚に消しゴムを密着させて前後左右とスライドさせてみると動きの少ない方向が見つかるであろう。そこで、その動きの悪い方向に対して消しゴムをスライドさせてちょうど止まる位置でしばらくキープする。ついつい押してしまいがちになるが、痛みがでない圧と強さで行うことが重要である。押すというより遊びを取るという感覚で行うとよいであろう。

筋膜をリリースするには少々時間が必要である。数秒のこともあるし、数分のこともある。この辺の感覚は、言葉では伝えにくいのでいろいろと試していただきたい。圧を数秒かけて、再度動きを確認してみて前後・左右・斜めと同じ程度の動きの幅があればOKである。

この方法を利用して、顎のラインや頬や目じりなどの部分に施すと手指で行うよりも簡単にリフトアップが可能であると思われる。消しゴムは近所の文具店で200円ほどで購入したものである。各メーカーからいろいろなものがでているが、約32×73ミリサイズのプラスチックタイプを使用している。使い始めは石鹸で洗い、施術部位の油分は落として消しゴムが皮膚に密着する状態で行うことがコツである。