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鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

鍼灸抜萃に学ぶ その十二 「痃癖」(げんぺき)

痃癖の論治 先ずは、「鍼灸抜萃」の記載を見てみよう。 肩のいたむことは、気血のつかえたるゆえなり。鍼を刺すの大事、このところにきはまるぞ。ここに行うときは、先(まず)手にて、肩を押しひにり撫でくだし、気を開かせてのち、鍼をさすべし。深きとき…

鍼灸抜萃に学ぶ その十一|砭鍼(へんしん)

鍼術の手法(4/4) 砭鍼(へんしん) 軸一寸穂六分。穂の太み麥(むぎ)のじくほどにし、鍼尖を三め、錐の様にして小兒鍼の管にいれてさてはじくぞ。腫物の口をあくる時。日腫の血を取時。けんべきの血を取る時。邪気集まりていたみを成す時。此鍼を刺して血…

鍼灸抜萃に学ぶ その十

鍼術の手法(3/4) 管鍼(くだはり・かんしん) 撚鍼は手法得難し。打鍼は沈痾に至ておよびがたし。且(あした)に鍼にこころざし有って夕べに道にいたるは管鍼にしくはなし。まなびやすくして鍼を下すに痛まず、病人の精気衰へず。手法は左の手にて管を穴の…

鍼灸抜萃に学ぶ その九|打鍼(うちばり・だしん)

鍼術の手法(2/4) 打鍼(うちばり・だしん) 打鍼はふかく刺すことなかれ、浅くして効あり。一身は栄衛を以て主とすることなり。栄衛は気と血との二つなり。霊枢経にも浮気の経に随ひ運(めぐ)るものを衛気と云。その精気の経にしたがひて運を栄気と云。気…

鍼灸抜萃に学ぶ その八

鬱証の処方 後編 気鬱はさまざまな臓気に影響を及ぼすので、本来であればそれぞれの状態において、配穴を加減をする必要がある。湯液の理論と鍼灸が大きく異なる点は経絡と経穴(腧穴)を利用する所にある。丹渓は合生見証の考え方を提唱し、経絡理論を発展…

鍼灸抜萃に学ぶ その七

鍼術の手法(1/4) 鍼具・灸具にはさまざまなものがあるが、「鍼灸抜萃」で紹介されている鍼術(江戸前期頃に一般的に用いられた)には、撚鍼・打鍼・管鍼・砭鍼の4種類がある。管鍼法と打鍼法は日本独自の鍼術である。 撚鍼(ひねりばり)手法 鍼を行わん…

鍼灸抜萃に学ぶ その六

鬱証の処方 前編 左:「鍼灸抜萃」右:「鍼灸則」 「鍼灸抜萃」は上・中之上・中之中・中之下・下の五冊、全三巻からなる鍼灸医学書である。その下には五十六の論治が紹介されている。概ね病因病機、古典の引用、症状、配穴の形式で書かれている。 「気の論…

鍼灸抜萃に学ぶ その五

金元医学の影響について 後編 後世派の系譜 15世紀には金元医学は日本に伝来していたとされる。そして、江戸時代初期には後世派(李朱医学)が隆盛を極めていたようだ。富士川游「日本医学史綱要」から引用して以下に紹介する。本邦における李朱医学のキー…

鍼灸抜萃に学ぶ その四

金元医学の影響について 前編 「気の論治」に「丹渓がいわく、一身を周流して以て生命をなすものは気なり。」また、「子和曰く、天地の気常になるときはやすく、変するときは止む。」とある。丹渓とは朱震亨(1281-1358)、子和とは張従正(1156-1228)のこ…

鍼灸抜萃に学ぶ その三

恬憺虚無な生き方とは 広辞苑によると恬憺とは「心がやすらかで無欲なこと。あっさりしていて物事に執着しないさま。」とある。虚無とはニヒリズムの意もあるが、ここでは「有無相対を超越した境地」がすっきりくる。前回の「素問」上古天真論篇では次のよう…

鍼灸抜萃に学ぶ その二

「○○病には××のつぼが効く」という観点で古典を読むこともできるが、からだの診方や病(やまい)に対する基本的な考え方やその背景を知ることが重要である。また、江戸期のこれらの書では、素問霊枢をはじめとする中国の古典医学をどのように取捨選択し咀嚼…

鍼灸抜萃に学ぶ その一

鍼灸の古典には様々なものがあるが、最近は江戸期のものが読んでいて面白い。日本に鍼灸が伝わっておよそ1500年、日本の気候や風土、体質や労働・飲食・病(やまい)・嗜好などさまざまな要因により、日本的な変化を遂げ、隆盛を極めたのがおそらく江戸期で…