鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

特別展「書聖 王羲之」に行ってきた

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1月22日(火)から、東京国立博物館にて特別展「書聖 王羲之」が開催されている。今回40年ぶりの王羲之の新資料として「王羲之尺牘 大報帖(おうぎしせきとく たいほうじょう)」が公開された。これまで極札(きわめふだ)から小野道風によるものと考えられてきたこの書は、唐の宮中で作られ、遣唐使らによって日本に舶載された王羲之尺牘(手紙)の一つであることが明らかになった。また、名品と謳われている「行穣帖」(プリンストン大学付属美術館蔵)・「喪乱帖」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)・国宝「孔侍中帖」(前田育徳会蔵)・「妹至帖」(個人蔵)などが公開されている。

王羲之といえば蘭亭序が夙に有名である。唐時代には数多くの臨本や摸本が作られ、南宋時代には蘭亭序の拓本ブームが起こり、当時は著名な蘭亭序だけでも800本にも及んだといわれている。今回、さまざまな蘭亭序を見ることができることも楽しみの一つである。

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鍼灸と王羲之との関係も無縁ではない。王羲之作とされる「黄庭経」には道教的身体観に基づいた呼吸法や養生法、観想法などが記載されている。その最終目的は不老長生にあるといえよう。王羲之も神仙思想に傾倒していたのであろうか。内容はメタファーも多いので真意を理解するのは容易ではない。これから修行を実践するには時すでに遅し、さりとて「道蔵」をきちんと読む自信はないので、雰囲気だけでも味わうことにしよう。