釣りは鍼の道に通ず
今シーズン最後のカワハギ釣りにでかけた。釣果は惨敗、ひやひやものの”つ抜け”であった。魚を釣るには「1に場所、2に餌、3に腕」ということがよくいわれる。カワハギはテクニカルな釣りで、腕によって釣果に差が出るところがいい。毎回悔しい思いをするのでハマってしまう人も多く、釣り人にもたいへん人気の高いターゲットである。もちろん食べても旨い魚である。
相模湾や東京湾ではアサリのむき身をエサに使用する。カワハギはえさ取り名人とも呼ばれ、ボーっとしているとあっという間にエサがとられてしまう。それ故、集中力が重要である。微かなアタリを捉えられるかどうかが一つのカギとなる。最近の道具の進化はめざましく、軽くて感度の良いものが各社から多く発売されていて、道具に助けられることも多い。また、見えない海の中で仕掛け・エサがどのように動いているか、イメージすることも大切である。
カワハギ釣りには、タルマセ(魚の補食の習性を考えて海底にエサを這わせる)・タタキ(竿を細かく動かしてエサをアピールまたは、焦らす)・聞き合わせ(ゼロテンションまたは、海底からオモリを離して反応を待つ)などの方法がある。鍼でいうとどののように気を至らせるかということになる。提挿や徐疾、刺鍼転向、刺入の深浅、鍼具の選択、置鍼などと手技や方法を変えて行うことに似ている。タタキは九六でとか、地まで落として、人で待つなどど云いながらやっているわけである。
※「つ抜け」とは、1(ひとつ)2(ふたつ)と数を数えるが、9(ここのつ)の次は10(じゅう)になる。つまり、10になると「つ」がなくなる、「つ抜け」ということである。