夏バテに甘酒
甘酒は寒い冬の飲み物という印象があるが、夏の季語であることからも想像されるように、江戸時代には夏の時期に庶民に好まれた飲み物でもある。
甘酒にはビタミン、ミネラル、食物繊維、ブドウ糖などの栄養成分や必須アミノ酸も含まれており、いわば「夏バテ予防の栄養ドリンク」と言えるであろう。また、米と米麹から糖化発酵させているため、ノンアルコールのソフトドリンクなのである。
胃腸が疲れて食が進まない、スポーツドリンクにも飽きてしまった…。そんな時に是非一度、お試しあれ。
『守貞漫稿』に夏月専ら売り巡るものは、甘酒売りとある。また『塵塚談』には、「醴(あまざけ)売りは冬の物なりと思ひけるに、近比は四季共に商ふことになれり。…浅草本願寺前の甘酒店は古きものにて、四季にうりける。その外に四季に商ふ所、江戸中に四、五軒もありしならん。」とある。