鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

腰下肢痛のトリガーポイントと経穴の共通点と相違点

腰下肢痛のトリガーポイントによる関連痛パターンを『Myofascial Pain and Dysfunction The Trigger Point Manual 』から引用する。
下図は前回も取り上げたが、左は前部小臀筋中にできたトリガーポイント、右は後部小臀筋中にできたトリガーポイントを表している。

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次に梨状筋中にできたトリガーポイントによる関連痛パターンを引用する。

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これらの関連痛パターンを眺めていると、足の少陽胆経と足の太陽膀胱経の経絡の流注と重なるのでは…、と連想されるであろう。

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赤いラインは足の太陽膀胱経の流注、青いラインは足の少陽胆経の流注である。臀部の赤丸の経穴は環跳(かんちょう)穴で足の太陽膀胱経と足の少陽胆経の交会穴である。ちょうど梨状筋中にできたトリガーポイントのTrP1あたりに相当する。

現代鍼灸(現在もこのような言い方をするのかどうか不明だが、端的にいえば現代医学の理論に基づいて鍼灸を考える)では、腰下肢痛(坐骨神経様の痛みやしびれ)の原因を脊椎の変成や梨状筋のスパズムなどにより坐骨神経が圧迫や損傷されていると考える。そこで、L4-5、L5-S1付近の根症状を疑う場合は、腎兪や大腸兪などを選穴することが多い。また、梨状筋のスパズムが坐骨神経を圧迫していると考える場合は、環跳穴を選穴する。この環跳穴の取穴法には幾つかの方法がある。また、梨状筋をターゲットにするのではなく、坐骨神経に直接アプローチする方法もある。

このように、理論は異なっているのに、トリガーポイントと同じような部位にアプローチをするところは面白い。

一方、経絡的(循径施治)に考えるとどうだろうか。

『疼痛針灸治療学』(學苑出版社)の坐骨神経痛の治療方法には次のような記載がある。本により配穴には多少の違いはあるが、おおよそこのような配穴であると思われる。

足の太陽膀胱経:腎兪、大腸兪、秩辺、殷門、承扶、委中、崑崙

足の少陽胆経:環跳、陽陵泉、絶骨、丘墟、風市

イラストを見ると、小臀筋中にできたトリガーポイントの関連痛パターンと足の少陽胆経の流注は重なる所が多い。ここで、トリガーポイントの関連痛として考えれば小臀筋を狙うべきであるが、足の少陽胆経の配穴では環跳を選穴してる。環跳穴の位置は、大臀筋と梨状筋の下縁にあたるので、小臀筋をカバーしていない。足の少陽胆経上にあって、小臀筋を狙える経穴とは…。

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そうなんです!居髎(きょりょう)穴で、小臀筋と中臀筋にアプローチすることができるのである。