鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

ヒル治療|蛭(ヒル)の仲間には医療に使われるものがある

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江戸期に書かれた類書「和漢三才図絵」(1712年)には、河池の水中に棲む水蛭(すいてつ)、草土にいる草蛭、そして、石蛭の三種が載っている。前回話題の丹沢のヤマビルは草蛭のことであり、医療として使われるのは水蛭(チスイビル)のことである。薬として服用するものと、患部にヒルを付けて悪血を吸わせる方法がある。

後者の吸血による治療法は、日本だけでなく古代エジプトや中国、インドのアーユルヴェーダなど世界各地に古くから見られる。

以前、テレビで放映されたアーユルヴェーダについての番組の中で、切断された手指を手術で接合した後、ヒルに血を吸わせ血管の再生を促進させるというシーンがあった。絵はグロいのだが、臨床効果が高いということであった。

来院される患者さんの中にも、肩凝りにヒルによる治療を経験された方やその光景について話をしてくださる方が時々いらっしゃる。湯呑みにヒルを入れて、患部にそれを逆さまに付けておく。しばらくして湯呑みをはずすと、丸々としたヒルが出来上がるといった具合である。だんだん皆さん高齢になられているので、そのような昔の貴重な話が聞けなくなるのはさみしい限りである。

ヒルによる治療は昔の治療法と言うだけでなく、現代医学の現場でも採用されている。無菌の医療用ヒルも作られているのである。ヒルド療法で検索すると写真や映像を見ることができる。しかし、見た目は気持ちのいいものではない。

 


再び注目を集めるヒル治療 - YouTube

画像のクリックではうまく再生されないようである。「再び注目を集めるヒル治療」をクリックすると見ることができる。IPアドレスでブロックがかかっているのだろうか、原因はよくわからない。

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毒矢に肩を射られた傷口に、川から取ってきたヒルを付けて、毒を取り除こうとしているところ。この女性の名前は缇萦というのであるが、その由来がわかるであろうか?ヒントは淳于意。内容は不老長寿が一つのテーマとなっており、治療のシーンも随所に出て来る。作りは雑ながら、なかなか面白い。(中国ドラマ「神医侠侶」)