家庭でできる温灸法|棒灸の使用方法を紹介
お灸には幾つかの種類と方法がある。昔はコイン大のもぐさを皮膚に直接すえるやり方もあったが、最近ではやけどをしないお灸法が好まれる傾向にある。せ○ね○灸などの台座灸もドラッグストアで購入が可能であるので、治療に来られる方の中にも自宅ですえている人も少なくないようだ。今回は棒灸について紹介したい。
もぐさを硬く棒状にして紙で巻いたものを用い、棒灸に火を付け皮膚(つぼ)から3~5センチほど離して使用する。薬条灸といってもぐさに当帰や川芎などを混ぜたものもあるが、匂いは独特である。好みは分かれるであろう。
安い棒灸は夾雑物が混じるため、火力にむらがあったり、小さい石が皮膚上に落ちたりする(当然、熱い)。あまりケチらずに、そこそこの値段の物を求めたい。最近では、ネットで購入も可能である。近くの鍼灸院でもおそらく分けてくれるであろう。
まず、外側の紙をはずし、内側にも薄い紙が巻いてあれば取り除く。そのまま火をつけて使用する人もいるが、私は紙の燃える部分を少なくしたいので、紙を剥いて使っている。
次に棒灸に火を付ける。
皮膚から3,4センチほど離して使用する。目安としては心地よい温かさで、5分から20分ほど温める。初めての方は5分ぐらいから始めるとよいであろう。皮膚が弱い人は輻射熱でもやけどをすることがあるので、皮膚が発赤したところで終了した方が無難である。
くれぐれも、やけどと火の管理には気をつけていただきたい。
施灸を終える時には、水に付けずに火消しツボに差し込んで火を消す。専門家でなければ火消しツボを持っている人は少ないと思われるので、簡単にできる方法について次回は紹介する。
(つづく)