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鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

背部の凝りと痛み(1/X)|胸腰筋膜と太陽膀胱経 

平成25年の国民生活基礎調査厚生労働省)の性・年齢階級別にみた有訴者率の統計では、男性の第1位は腰痛、第2位は肩こり、第3位は鼻がつまる・鼻汁がでるとなっている。一方、女性では、第1位が肩こり、第2位は腰痛、第3位が手足の関節が痛むという順位で、いずれも肩こり、腰痛が1,2位を占めている。

慢性的に肩こりや腰痛のある方は、背部の緊張も強いことが少なくないが、あまり自覚症状として認知していない方も多く見られる。

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背部を流注する経絡には督脉、足の太陽膀胱経がある。督脉は脊柱上を流れ、足の太陽膀胱経はその脇を巡っている。膀胱経には蔵府の名前のついた腧穴が多く存在している。古典における腧穴(つぼ)の記載では、まず、その腧穴の位置が説明され、その特性、主治が記述されている。また、鍼の深さ、灸の壮数についても書かれている。

この針の深さについてはあまり話題にならないが、どのような経緯で定量的な数値として決められたのであろうか。

まず、膀胱経一行線の腧穴の深さを書きだしてみよう。鍼灸大成を参考としたが、その内容は銅人や甲乙経などいくつかの文献から選択されている。

  • 大杼 ≪銅人≫針5分、≪下経≫≪素注≫針3分
  • 風門 ≪銅人≫針5分、≪素注≫針3分
  • 肺兪 ≪甲乙≫針3分
  • 厥陰兪 ≪銅人≫針3分
  • 心兪 ≪甲乙≫針3分
  • 督兪 
  • 膈兪 ≪銅人≫針3分
  • 肝兪 ≪銅人≫針3分
  • 胆兪 ≪銅人≫針5分、≪明堂≫針3分
  • 脾兪 ≪銅人≫針3分
  • 胃兪 ≪銅人≫針3分
  • 三焦兪 ≪銅人≫針5分、≪明堂≫針3分
  • 腎兪 ≪銅人≫針3分
  • 気海兪 針3分
  • 大腸兪 ≪銅人≫針3分
  • 小腸兪 ≪銅人≫針3分
  • 膀胱兪 ≪銅人≫針3分
  • 中膂兪 ≪銅人≫針3分
  • 白環兪 ≪素注≫針5分

銅人経を主としてプロットしたのが上記の図になる。黒い直線が体表の位置で、赤い折れ線が針の深さになる。腧穴を取穴する場合の寸法は骨度法といって相対的な長さになるが、仮に当時の1寸を2.25センチメートルと設定して考えてみると、3分は6.75ミリ、5分は11.25ミリとなる。

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排刺法は脊柱を挟むようにして左右上から下まで刺して行く方法(上図)であるが、この目的はどこにあるのか?

体表から3分の深さを経絡が流れているとか気のルートなどと説明されたものもあるが、形而下なこととして、次回、エコーを見ながらこれらについて検討してみたい。