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鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」的思考|その場で症状が変化するものばかりではないということ

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「なかぬならなくまでまとうほととぎす」は徳川家康の言葉として「甲子夜話」に紹介されている。辛抱ずよく機が熟すまで待つという例えとしてさまざまな場面で引用されることが多い。

以前、あるカウンセリングの講義で印象に残っていることとして次のようなことがあった。未熟なカウンセラーはすぐに結果を出そうとして反ってクライアントの症状をこじさせてしまうが、熟練のカウンセラーは辛抱ずよく、症状を悪くしないように心掛けるというものである。「こころ」にも自ら治る力が備わっているので、信頼してサポートするような心持が大切であるというような内容であったと記憶している。

一方、鍼灸医学でも自然治癒力ということがよくいわれている。我々のからだには、本来自ら治ろうとする力、自然良能が備わっている。病の多くは気血の滞りにあると考えるので、鍼灸により気血の流れを改善(疏通経絡)することが治療の大きな目的となる。結果、自然治癒力が高まり症状が快方に向かうわけである。

鍼灸をしてすぐに症状が改善されることも臨床では多く経験するが、鍼灸師は魔法使いでもなく、その効果はミラクルでもないので、時には時間のかかることも多いのである。経験的に筋・筋膜的な症状(引き攣れや疼痛)はその場で何らかの変化をする事もあるが、治療直後は変化がよくわからなくても、次の日や2日後に症状の改善がみられることも少なくないように思われる。

何でもいいことはしておきたいということは心情としては理解できるが、過ぎたるは及ばざるがごとしである。あれこれと必要のないことまでしてしまうことは不安の表れでもあり、待てるか待てないかが一つの分かれ目であろう。つまり、予後が読めるかどうかということである。○○病には××のツボでもよいけれど、時系列的に思考することが大切なのではないかと、若葉マークの鍼灸師さんの治療を見てふと思った次第である。