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鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

みかんを食べながらファシアについて考えた

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これから寒くなる季節、こたつに入りながらテレビを見て、みかんを食べるなんていう光景が昔はよくあったが、最近はすっかり見ることが少なくなったように思う。テレビ番組ではサザエさんやまる子ちゃんがその雰囲気に近いが、昭和は遠くになりにけりといった感じで、今なら床暖の上に寝転がって、イヤホンをしてスマホをいじりながらオランジーナを飲むと言ったところであろうか。

今年の三月にはアナログ放送が終了したので、ザーッと砂の嵐しか映らないブラウン管テレビがいまだに部屋に鎮座しているが、テレビのない生活は想像以上に快適である。断食ならぬ、「テレビ断ち」お勧めである。

さて、テレビの話はさておき、みかんでファシアについて考えてみよう。みかんを剥くと写真のように一つ一つの房が薄い皮で覆われていることがわかる。これは筋肉がファシア(筋膜)に覆われていて、その隣接している部分はそれぞれのファシアが重なっている状態と考えることができる。

からだの多くの部分では、皮膚から骨までの間に幾つかの筋肉が層になって存在しており、動作によってそれぞれ異なる方向に収縮・伸長するわけである。動作時に引き攣れたり、痛みがでたり、可動域が悪い状態は、このファシアが肥厚・癒着しているか、隣接している部分の滑走性が悪いことなどが考えられる。近年注目されている「筋膜性疼痛症候群(MPS)」やエコーガイド下筋膜リリースなども、これらファシアの状態を重視している。

 

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つぎに、みかんを入れてあるネットを利用して筋膜の状態を考えると、上図で左が正常、右は重積した状態である。

コラーゲン線維自体には、柔軟性はなく、巻きついたり、折り重なることで位置が変化し、柔軟性を維持している。例えば、腕の皮膚(時計の文字盤の位置より、近位10センチぐらいの場所)を指で押しながら前後左右に動かしてみると、動きやすい方向と動きの少ないところがあるであろう。また、撮んでみると伸びやすかったり、痛みが出たりするかもしれない。脂肪が多いと伸びやすい傾向にあり、痛みが出やすいところはファシアの動きが悪いところかもしれない。

そして、動きがロックするとそれ以上は皮膚の動きが変化しにくい状態にある。ファシアには弾性、粘性、塑性の性質があり、それぞれの部分をコンパートしている。みかんでいえばそれぞれの房にわかれていて、そのユニットを全体として覆うように保護しその状態を保つわけである。

上図のように重積した状態、つまりファシアが短縮(癒着)の原因 としては次のようなことが考えられる。

  • 姿勢の問題(長時間の同じ姿勢、動かないこと、身体の歪み、ねじれが長時間かかること)
  • 精神的(継続した交感神経の緊張状態、ストレス)
  • 怪我(回復するまで、筋肉は数日~数週間、筋膜はさらに時間がかかる)や炎症
  • 過去の手術
  • 年齢的な問題(必ずしも年齢だけの問題ではない)

その改善策は?

ファシアの短縮を鍼や手技療法でリリースし、合わせて上記原因となる生活習慣の改善、そして適度な運動が必要となる。ある部分においては可逆的である。しかし、状態が戻りやすいので、根気よく繰り返し行うことが必要となる。