鍼灸鷄肋ブログ

鍼灸に関する内容や日々の出来事を紹介します。世田谷区祖師谷「鍼灸指圧自然堂」から発信しています。

花粉の季節|鍼灸でどうにかなりますか。。

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花粉症に対する鍼灸の効果

梅は咲いたか桜はまだかいな~。

寒さの中にも春の気配を感じる季節となってきたが、花粉症の人にとってはしばらく辛い時期となる。毎年、花粉症対策の記事や特集が組まれるが、なかなか決定打がないのが現状ではなかろうか。最近注目のヨーグルトや甜茶も効いたような効かないようなといった感じかもしれない。昨年の改正薬事法施行により、花粉症薬がドラッグストアでも入手できるようになったが、長期間にわたる服薬の副作用も心配という方も多いのではないだろうか。

アレルギーの機序を見てしまうと、鍼灸でスッキリ改善するとは思えないが、東洋医学では異なった視点でアプローチするので、レベル10の辛い症状が0にならずとも、いくつかの症状の軽減に役立つかもしれない。

アレルギー性鼻炎の症状であるくしゃみ・大量の鼻水・鼻づまり・痒みなどから、中医では「鼻鼽」の範囲と捉えて、特に肺・脾・腎の蔵府と関係が深いと考える。

鍼灸治療でよく使われる腧穴(ツボ)としては、迎香、印堂、合谷があげられる。これらの腧穴はいずれも鼻の近くにあるか、経絡の流注から選択されている。

また、2007年にはPAR(persistent allergic rhinitis )に対して、鍼灸が有効であるとしたレポートがある。

Acupuncture for persistent allergic rhinitis: a randomised, sham-controlled trial | Medical Journal of Australia

この実験では、迎香、印堂、風池を主穴として選択し、肺気虚は合谷、脾気虚は足三里、そして腎虚には気海を加えて配穴している。このレポートに対してプラシーボ効果を指摘しているものもあが、特にアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)では偽薬が30%もの高い有効性があったとするレポートもあるので、何も鍼灸にかぎった話ではない。

時々、プラシーボを悪者のように言う人があるが、多くの優れた経験豊かな治療者はプラシーボをも味方につけて臨床を行っていることであろう。むしろ、ネガティブな事を言ったり、不安感をあおったりするノーシーボの方がクライアントに悪影響を及ぼすに違いない。

 家庭でできる耳鍼の方法

家庭で手軽に行える方法としては、王不留行や銀粒などを貼る方法(耳鍼)がある。六神丸や仁丹を絆創膏などで貼ってもよい。まず、耳全体をアルコールで消毒したのち、下記のような位置(ツボ)に球粒物を貼る。ツボの探し方は、例えば爪楊枝の頭のような部分を軽く押しあてながら、やや痛みのあるポイントや気持ちのよい場所を選択するとよい。

両方の耳に同時に行う方法もあるが、片方ずつ行う方が衛生的で安全である。貼り付けた球粒物の上から1日に2-3回1~2分ほど按圧する。あまり強く押すと痛みが残ることがあるので、様子を見ながら気持ちのよい強さで行うとよい。2-3日ごとに左右の耳を交代して行う。繰り返し行い、二週間ほどで効果の評価を行う。

 

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1.外鼻:耳珠の外側面で中央からやや前方に取る

2.内鼻:耳珠の内側(裏側)にあり、外鼻の真裏よりやや下方に取る

3.腎上線:耳珠の下縁に取る

4.内分泌:耳甲介腔下端部にあり、ちょうど小指が嵌るくぼみに取る

5.風渓:舟状窩を上から下に6等分して一番上と二番目の間に取る

 外鼻と内鼻を主穴として1-2穴選択するとよい。また、王不留行や銀粒が手に入らない時は、軽く指でマッサージして行うことも可能である。

注意:皮膚の弱い方や敏感な方、接触性皮膚炎などの経験のある方は、球粒物や絆創膏にかぶれないか様子を見ながら行ってください。使用は自己責任でお願いします。


花粉症特集 |厚生労働省