鍼灸鷄肋ブログ

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絞扼性イレウスで緊急入院の巻(上)

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その痛みは何の前ぶれもなく、突然やってきた。

腹痛といっても原因はさまざまである。食べすぎ、飲み過ぎ、冷え、食あたり、胃酸過多、便秘などのコモンディジーズ(日常的によく見られる疾患)であれば、鍼灸(はりきゅう)や売薬などで対処が可能である(個人的な意見です)。また、何もしなくても時間の経過とともに自然と治ることもめずらしくはない。

しかし、今回は様子が違っていた。。

聞くところによると、世に三大痛というものがあるらしい。諸説あるようだが、尿管結石、痛風、胆石が代表格のようである。また、心筋梗塞腸閉塞、解離性大動脈瘤三叉神経痛、群発性頭痛、陣痛等も候補に挙がっている。くも膜下出血の発症で起こる頭痛は、今までに経験したことがない激痛、ハンマーで殴られたような突然の痛みと表現されることが多い。

朝方、5時頃に心窩部辺りの膨満感、痛みで目が覚めた。まさに、今までに経験のしたことがない腹部の痛みであった。以前、逆流性食道炎を経験しているので、胃酸過多による痛みかとも考え、鍼灸を施したり、制酸剤を服用するも一向に症状の改善が見られなかった。胆石、それとも急性膵炎?、昼間に食べた寿司でアニサキスなどとドクターGさながらあれこれ考えてみるも断念して、朝一で近医を受診した。

レントゲン写真をみると、小腸に黒い影があるとのこと。その場で総合病院を紹介された。写っているその黒い部分はガスがあることを意味しており、通常小腸にはないらしい。総合病院では夕方までエコーやらCT,レントゲン、採血や尿検査のオンパレードで、結果、そのまま緊急入院となってしまった。

診断は「絞扼性イレウス(腸閉塞)」である。OMG!

人生、いつ何が起こるかわからないということですな。

腸閉塞についていろいろと調べてみたので、備忘録としてまとめてみた。

腸閉塞(イレウス)とは、何らかの原因によって腸内容の通過障害が引き起こされる症状の総称である。腸に食べ物がつまったり、その一部が狭くなり内容物が通過しずらくなったりする状態である。その症状には、腹痛や嘔吐、腹部膨満、鼓脹、ガスや排便ができなくなったりすることがあげられる。また、発熱や脱水症状を伴うこともある。

腸閉塞は原因によって「機械性」と「機能的」の2種類に分類されている。さらに、それぞれ以下のように分けられる。

機械的イレウス

腸管内腔の狭窄や閉塞などの物理的要因のうち、腸管の血行を伴わないものをさす。その原因としては以下のものがる。先天性の疾患、腸管内の異物として食餌性・胆石・糞便・寄生虫など、腫瘍やポリープ、クローン病など器質的変化によるもの、開腹手術後の癒着や腹腔内の炎症など。

腸重積、腸軸捻転、ヘルニアなどが原因で腸が締め付けられた状態で、血行障害を起こすと腸が壊死する事もある。壊死が起こらないうちに腸閉塞を起こしている原因を早急に解消する必要がある。

■機能的イレウス

これらの病態生理の特徴は以下の通りである。

  1. 腸管の膨満
  2. 腸管内ならびに腹腔内への血液成分の漏出
  3. 腸管麻痺
  4. 水分・電解質の喪失
  5. 中毒

筆者の場合は、完全には腸が閉塞しておらず2割ぐらいは通過できる状態であったことから、数日間の保存療法がおこなわれた。栄養剤を点滴しながら経過観察をするも改善しないため、次にイレウス管を鼻から挿入し、腸液を体外に排出して腸管内の圧力を下げて腸が正常に回復するのを待つ方法がとられた。が、これも不発に終わり、最終的には腹腔鏡による手術となった。

結論としては、腹膜の大網部に小腸がはまり込んだ状態であったらしい。その脂肪部分が小腸を締めつけて、閉塞していたとのことで、この部分を腹腔鏡下手術により切除した。今回イレウスが発症したハッキリとした原因は不明らしく、運が悪かったとのこと。「運が悪かった」っていわれても。。

(つづく)

南山堂医学大辞典

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