糖質制限はダイエットの主流となるか
いつの世もダイエットと美容は女性の関心を呼ぶらしい。
これらに関するテレビや雑誌の特集記事は途切れることはなく、手を変え品を変え新しい体操やサプリメント・食品・健康器具などが紹介されている。しかして、その効果の程はどうなのであろうか。
当治療院でもダイエットや食についてしばしば話題になる。ダイエット(減量)に成功した人の話を聞くと、男女とも共通しているのは主食(米やパン、粉もの)を減らす(摂らない)ということにあるようだ。もちろん、運動や飲食、規則的な生活、嗜好品、ストレスをためない等も影響があるであろう。
6月号の文芸春秋では「医療の常識を疑え」という特集が組まれており、幾つか興味深い内容があった。その中で、医師が体験した「糖質制限ダイエット」という記事が紹介されている(p194-p197)。
糖質制限はリバウンドが少なく、継続的な体質管理ができるので、糖尿病ははもとより、肥満、歯周病、高血圧、脂質異常症なども防ぎやすくなる。
肥満女性の生理不順、うつ病などに栄養指導し、改善効果が認められている。
糖質制限が広まれば、この世から多くの成人病、歯周病、睡眠障害、思春期のニキビなど、様々な患者の数が減るはずです。
ダイエット法としても血糖値の上下が少ないため空腹感が少なく続けやすい。
糖質制限は米やパンなどの主食、砂糖などの甘いものを摂らないという方法である。食品ごとにカロリー計算をしなければならない従来のカロリー制限と較べてこの方法はとてもシンプルである。
ここで、米・パン・砂糖とくれば、ホワイトデビル(White Devil)を連想させる。アニメのかわいいキャラクターのようだが、ホワイトデビルとは体に悪影響を与えると考えられている砂糖・小麦粉・塩・低温殺菌乳製品(牛乳)のことをさす。
1930年代、オハイオ州クリーブランドの歯科医であったウェストン・プライス博士は10数年にわたり世界各地を旅し、先住民族の食生活が近代化することで、その口腔や顎がどのように変化・退化するのか、健康状態や身体の発育、虫歯についてフィールドワークを行った。そして、「Nutrition and Physical Degeneration」(1939年)を出版し、西洋的な食生活に対して注意を促した。
およそ70年経っているので、その理論のすべてが正しいかどうかは不明ではあるが、精製した食品や加工品、植物油を避け、伝統食に注目している点は現在見直されつつある動きとも重なるところが多い。もっと注目されてもよいのであるが、このような内容は大人の事情でメディアでは話題になりにくいのである。
Nutrition and Physical Degeneration: A Comparison of Primitive and Modern Diets and Their Effects
- 作者: Weston A. Price
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